写し鏡

ありのまま、自然に。

私は本当に旅が好きなのか

自分が幸せだと思い込みたいから旅行をする
ネット上のどこかでそんな言葉を目にしたのを思い出す

 

旅行が好きで旅行をより深いものとしたいからカメラという趣味ができたのに今では写真を撮るために旅行をする始末
いやそれは間違いではないし極々当たり前のことなのだが本質を違えているのではないかという自己矛盾も心の隅に感じていた

 

そのうち私は本当に旅行が好きなのかと考えるようになっていた
なぜ旅行をする。写真のため。なぜ写真を撮る。
堂々巡りで答えは出ない

 

だが最近少しだけわかってきたことがある
私が旅行をするということの本質は旅行をしてその場の雰囲気と生活、風景を楽しむということだけではなく過去に彩りができるからではないかということ

 

私はネガティブな人間で過去が大好きだしセンチメンタルも感じる
明治期の古写真集を集めるのもけっこう好きである

旅行をするという行為は旅行をしている今と終わってからの過去も彩りを生んでくれる二重奏なんだなとやっと理解した

 

まぁこれはどんなことにも言えることなんで今更かよと自分でも思います
いや旅行は特にその特徴が顕著なような気がする。どんな微妙な旅行でも良かった旅行だったのだと追想させてくれる過去と旅行の組合せ。

 

そして少し思うこと。
世間では過去を良くするため今を頑張りなさいとは言わないなと。
未来を良くするために今を頑張りなさいっていうのが普通か

 

私のようなものでも心から支えてくれる過去というもの
過去のために頑張ろうかなという後ろ向きのまま前に進む矛盾を秘めたポジティブさ
嫌だったことも書き換える過去の持つ包容力

 

過去は美しいですね